花ソーセージの誕生からオンリーワン商品へ
花見の席に華やかな彩りをそえる
広島名産のひとつ「花ソーセージ」は、福留ハム最初のヒット作。切った断面がかわいい花形のソーセージが、当社の礎を作りました。戦後の広島に誕生
1952年頃。日本経済が敗戦のショックから立ち直り、回復へと向かい始めた時代に花ソーセージは生まれました。この頃の日本の家庭での楽しみは、正月・お祭りなどの祭事、 また花見・海水浴などの行楽行事が主流で、ハム・ソーセージも、とりわけその時期になると良く売れたそうです。
福留ハム先代会長の中島治は、正月用の「おせち」に入っているかまぼこにヒントを得て、松・竹・梅の形のソーセージを考案しました。
松・竹・梅の金型に材料を詰め、手で押し出して金型から外し、セロファンで巻いて仕上げる、というシンプルな商品でした。
紆余曲折を経て
ところが、ここでいくつもの課題が商品化を阻みました。ひとつは、当時はすべて手作業だったので、金型から押し出すときにソーセージが外れにくいことが、量産の障害となりました。開発陣は、何度も試作を重ね、金型の内側にラードを塗っておくことで、型抜きが容易になることを発見しました。
さらにもうひとつ重大な問題がありました。戦後まもない物資不足のこの時代にあって、ハム・ソーセージの味付けには欠かせない胡椒が入手困難となっていたのでした。
中島は八方手を尽くし、広島のある食品メーカーが、潜水艦に積んで胡椒を持ち帰ったという情報を聞きつけ、自ら交渉。ようやく念願の胡椒を手に入れました。
花見・行楽弁当を華やかに彩る
満を持して、春の花見シーズンに合わせ、桜の花を金型にしたソーセージを開発しました。これが「花ソーセージ」です。
当時としては価格的に高級品であったにも関わらず、「花ソーセージ」は縁起のよい華やかな形が評判となり、花見に限らず運動会や行楽時の弁当惣菜用として、年間を通じて好評をいただくようになりました。
写真は『# 笑顔満開花ソーセージ フォトコンテスト (2021 年 )』の入選作品です。
福留ハムのオンリーワン商品へ
当初「花ソーセージ」は、長さ50cmという長大なものを半分にカットして、セロファンで巻いたものが精肉店で販売されていました。
それが、1960年頃には無通気性の包装材が開発されたことによって、ハム・ソーセージの賞味期限が飛躍的に伸び、その結果、販売路が拡大し、量産体制が整えられました。
こうして現在の形になるまで、開発から実に10有余年の歳月を要した「花ソーセージ」は、今も福留ハムの「オンリーワン」商品であり、また「ナンバーワン」商品であり続けています。
それが、1960年頃には無通気性の包装材が開発されたことによって、ハム・ソーセージの賞味期限が飛躍的に伸び、その結果、販売路が拡大し、量産体制が整えられました。
こうして現在の形になるまで、開発から実に10有余年の歳月を要した「花ソーセージ」は、今も福留ハムの「オンリーワン」商品であり、また「ナンバーワン」商品であり続けています。