秋の薬膳

秋は空気が乾燥し始め、朝晩の気温差も大きくなる季節です。
薬膳では、自然界のあらゆるものを「木・火・土・金・水」の5つの要素で捉える五行説という考え方があります。
この五行説では、
・春=木(もく)
・夏=火(か)
・土用=土(ど)
・秋=金(ごん)
・冬=水(すい)
とされており、秋は「金(ごん)」の季節です。
そして各要素にはそれぞれ対応している臓器、色、味などがあります。
秋の「金」に対応しているのは
・色:白
・臓器:肺
・味:辛味
東洋医学では、秋は「肺」をいたわる季節と考えられており、乾燥によるのどや鼻の不快感、肌の乾燥などが気になりやすい時期とされています。
この季節は、身体を潤しながら、旬の食材を取り入れた食事を心掛けることがおすすめです。
その代表が「白い食材」です。
大根、レンコン、長いも、白菜、かぶ、豆腐、白きくらげ、梨などこれらは水分を含み、煮物や汁物、鍋料理などにも使いやすい食材です。
秋の食卓に自然と取り入れやすいことも、薬膳で親しまれてきた理由の一つと考えられています。
そして秋は「辛味」を適度に取り入れるとよいとされています。
ただし、刺激の強い辛味は体内のうるおいを消耗しやすいと考えられているので摂り過ぎないことも大切です。
生姜、長ねぎ、大葉、みょうがなどの香味野菜を上手に取り入れながら、旬の食材を楽しみましょう。
また、秋の味覚であるきのこ類(しいたけ、しめじ、えのき、舞茸、エリンギ)、根菜類(にんじん、さつまいも、里芋、ごぼう)、果物(梨、柿、ぶどう、りんご)なども積極的に取り入れ、食欲の秋を満喫しましょう。
秋のおすすめ食材
- さつまいも
薬膳では、さつまいもは「脾(ひ)」と「胃(い)」をいたわる食材と考えられています。ここでいう「脾」は、現代医学の脾臓だけを指すのではなく、食べ物を消化・吸収し、身体に必要なエネルギーへと変える働きを含む東洋医学の概念です。
暑さが落ち着く秋は、夏の疲れを感じやすい時期でもあります。そんな季節に、旬を迎えるさつまいもは、毎日の食卓に取り入れやすい食材の一つです。ほんのりとした自然な甘みがあり、蒸したり焼いたりするほか、スープや炊き込みご飯、煮物など、さまざまな料理で秋の味覚を楽しめます。
- 舞茸
豊かな香りと旨みが魅力の舞茸は、秋を代表するきのこの一つです。薬膳では、舞茸をはじめとするきのこ類は、「気(き)」を養う食材の一つとして古くから親しまれてきました。
「気」とは、東洋医学で生命活動を支えるエネルギーのようなものを指します。
また、舞茸は身体を極端に冷やしたり温めたりしにくい「平性(へいせい)」の食材とされ、旬の食材と組み合わせながら日々の食事に取り入れやすいと考えられています。舞茸は香りや食感が良く、さまざまな食材との相性も抜群です。
- ハチミツ
秋は空気が乾燥し、のどや口の渇き、肌の乾燥などが気になり始める季節です。東洋医学では、はちみつは身体を潤す食材として古くから親しまれてきました。
乾燥しやすい秋には、温かい飲み物に加えたり、ヨーグルトや旬の果物にかけたりするなどして毎日の食事に無理なく取り入れることができます。
- かぼちゃ
鮮やかな黄色と自然な甘みが魅力のかぼちゃは、秋を代表する味覚の一つです。薬膳では、かぼちゃは「脾(ひ)」や「胃(い)」をいたわる食材として古くから親しまれてきました。秋は乾燥が気になる季節なので、身体づくりの基本となる「脾」の働きを整えることが大切とされています。
また、かぼちゃは補益(エネルギーを補う)とも言われています。
煮物やスープ、サラダ、グラタンなど、秋の食卓に季節の彩りを添えてくれます。
- くるみ
香ばしい風味と軽やかな食感が魅力のくるみは、秋の味覚を楽しむ食材の一つです。薬膳では、くるみは「腎(じん)」を養い、潤いを補う食材として古くから親しまれてきました。ここでいう「腎」は、現代医学の腎臓だけではなく、生命力や成長、加齢に関わる働きを含む東洋医学の概念です。
秋は空気が乾燥し始め、冬へ向けて身体を整えていく季節です。
薬膳では、この時期は乾燥を意識しながら、冬に備える食養生も大切にすると考えられています。
くるみは、そのまま食べるほか、サラダや和え物、パンや焼き菓子のトッピングとしても楽しめます。かぼちゃやさつまいも、きのこ類など秋の食材とも相性がよく、香ばしい風味が季節の料理を引き立ててくれます。
- なす
秋なすは、実が引き締まり、みずみずしく味わい深いことから、秋の代表的な味覚として親しまれています。
薬膳では、なすは身体にこもった熱を穏やかに整え、潤いを保つ食材と考えられています。夏の暑さが残る初秋には、旬のなすを取り入れることで、季節の移り変わりを感じながら食事を楽しむことができます。
なすは「涼性(りょうせい)」の食材とされるため、秋が深まり肌寒さを感じる頃には、生姜や長ねぎなどの香味野菜と組み合わせるのがおすすめです。
- しめじ
しめじは、秋の味覚を代表するきのこの一つです。
きのこ類は「気(き)」を養う食材の一つとして親しまれています。
また、しめじは身体を極端に冷やしたり温めたりしにくい「平性(へいせい)」の食材とされ、季節を問わず取り入れやすいと考えられています。
- 玉ねぎ
玉ねぎは一年を通して親しまれている野菜ですが、薬膳では穏やかな辛味を持つ食材として知られています。
秋は空気が乾燥し始める季節です。薬膳では、この時期には適度な辛味を取り入れることが大切とされ、生姜や長ねぎとともに、玉ねぎも秋の食卓におすすめの食材の一つです。
加熱すると甘みが増すので、スープやシチュー、炒め物など秋の旬野菜やきのこ類と組み合わせることで、季節感あふれる献立が楽しめます。





